前回、東洋大学はグローバル人財の育成に全力で取り組んでいることを述べました。この結果、本学の学生の海外への短期・長期の送り出しに関する取り組みは、奨励奨学金の整備等により、かなり充実してきました。しかし留学生の受け入れについては、まだまだ低水準であるのが実情です。今後、キャンパスの国際化を推進して本学学生に日常的に国際感覚を養ってもらうためにも、留学生の受入促進は重要な課題だと思っております。私としては、今後この課題に鋭意、取り組んでいきたいと考えています。
幸い、この一月一〇日に、バンコクに本学国際地域学部の事務所が開設されました。すでにクアラルンプールにも本学事務所があり、デリーにはバイオ・ナノ研究センターの事務所が設けられています。今後、欧米等にも事務所を開いていくべきでしょう。これらの海外事務所を通じて、本学の国際的な広報の強化と、留学生の勧誘、および本学学生の研修等への便宜供与、研究交流の活性化等に努めたいと思います。
一方、新年度からは、遅ればせながら、海外短期招聘教授制度も発足させる予定です。この制度は、主に協定校の実績ある教授を招いて、学部学生への講義をしていただくことを中心に、学術交流をよりいっそう活性化させていこうとするものです。これらを通じて、キャンパスの国際化をさらに追求していきたいと思っております。
職員の海外研修も、スイスの国連ジュネーブ本部やアイルランドのダブリンシティ大学において始まっており、可能な限り今後、他の地域にも拡大していきたいものです。学生や教員に協定校との交換制度があるように、職員にも交換制度があって当然でしょう。
こうして、本学もこれからは世界基準にのっとり、しかも国際水準を超える大学となることをめざして、私は諸施策を展開していく所存です。元来、東洋大学の名称には、東洋学の国際的拠点となって、世界中から東洋学を学びに来る大学にしたい、との思いが込められていました。今後、日本学・東洋学の研究をさらに高度化し、世界中に発信したいと思っています。このことには、歴史・思想等のみならず、日本的な経営の方法、日本的なものづくりの伝統などもあります。日本的発想に基づく科学の方法論の開発も、ありえるのではないでしょうか。総合大学の強みを発揮し、かつ日本的・東洋的特性を発揮して、世界に冠たる大学になりたい、それが現在の私の夢です。皆様のご協力・ご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。
東洋大学HP
http://www.toyo.ac.jp
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