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東洋大学 全国行脚講演会

堺で開催 200人が受講

多くの市民が受講した講演会
多くの市民が受講した講演会

 哲学の普及を目指し国内外を巡回し講演活動を続けた哲学者で、 東洋大学の創立者、 井上円了の志をもとに、 同大では創立125周年の記念事業として 「全国行脚講演会」 を展開している。 10月1日には同大に所縁の深い堺市でも開催された。
  竹村牧男学長 (文学部インド哲学科教授) が 「井上円了の人と思想」 をテーマに講演。 井上円了の生涯とその思想を紹介した。
  続いて山口しのぶ教授 (文学部インド哲学科) が 「河口慧海の真実」 をテーマに講演を行った。 堺出身の河口慧海の人生をチベットやインドでのエピソードを交えながら解説し、 同氏のもつコミュニケーション能力の豊かさは22歳まで過ごした堺での環境から育まれたものではないかと述べた。
  会場となった堺市民会館大集会室には約200人が参加、 熱心に聞き入っていた。
  講演終了後、 竹村学長らは河口慧海が学んだ寺子屋 清学院 (10月27日に 「堺市立町家歴史館 清学院」 として開館・堺区北旅籠町西) と河口慧海像 (南海本線七道駅前) を見学した。
  なおこの 「堺市立町家歴史館 清学院」 は一般公開されている。 (10時から16時まで、 火曜休館)。

河口慧海が学んだ清学院を見学する竹村学長 (中央) ら
河口慧海が学んだ清学院を見学する竹村学長 (中央) ら

堺 町並み スケッチ(141)
野 村 亜紀子

“側溝 (向陵東町)”
“側溝 (向陵東町)”

 楽しい側溝を見つけました。 味け無いコンクリートで作られた水が流れるだけのものでなく、 石造り、 草そして小さな生き物の居る小川なのです。 数年前、 学校・地域住民・役所がワークショップを作り、 案を練り実現させたものだそうです。 芦池より汲み上げた水が、 この堺高校・仁徳陵・土居川を巡り旧堺港に流れ出るとか。 堺は、 元々農業が盛んで、 ため池が多く水路の多い土地柄です。 コンクリート造りの水路を全て堺高校前の水路の様な多自然水路にすると、 街の景観が変ります。
  又、 この一画には、 ガーデンテーブルが用意されているので、 老人や、 足腰の悪い人々にとって嬉しい場所になるに違いない。 歩道に少し座わる場所が欲しいと思っている人々が案外多く居るものなのです。 町起しも無理矢理作らなくても住民がこの街が一番と思える街を作ると自然に人々が住民の安らぎやパワーをもらいに集まります。 その為の努力は、 この水路を作ったワークショップの様な、 学生・住民・役所の協力有ってこそ、 私達は子や孫に素敵な街をプレゼントしたいものです。


堺の逸品、 匠が一堂に

堺伝統産業会館 

 堺の伝統産業を一堂に集めた 「堺伝統産業会館」 が観光者など、 多くの来場者で賑わっている。 =写真=
  堺市産業振興センターでは、 旧堺刃物伝統産業会館を整備、 新たな観光拠点として10月1日にリニューアルオープンさせた。
  堺伝統産業会館では、 刃物、 線香、 注染和晒などの展示や実演、 体験イベント、 伝統産品など堺ゆかりの品々販売など、 「来て、 見て、 体験し、 匠の製品が買える」 施設として展開していく。

堺伝統産業会館
場所 堺市堺区材木町西1丁1―30 (阪堺線 「妙国寺前」 駅下車、 南西へ徒歩約3分[阪堺線沿い]、 南海本線 「堺」 駅下車北東へ約10分、 ザビエル公園北)
TEL
072―227―1001
開館時間 10時〜17時
(火曜日休館)
入館無料
体験― 「匠の広場」 (1階)
刃物、 線香、 注染和晒、 段通、 昆布加工、 自転車、 鯉幟、 和菓子の体験・学習・展示コーナー
販売― 「堺いち」 (1階)
堺の逸品、 名産品を販売
展示―「堺刃物ミュージアム」
刃物工程見本や刃物種類見本、 堺刃物、 堺打刃物を展示


堺市の人口

人 口 842、853人
(5人減)
世帯数 348、289世帯
(157増)

( ) 内は前月比
平成23年10月1日現在


第28回 市校区文化祭

11月3日 (文化の日)
10時開演 (9時30分開場)
市小学校体育館


グループ・ノムラ 
堺を描く展6

 本紙で 「堺町並みスケッチ」 連載中の野村亜紀子氏と堺在住の画家が堺をテーマに描いた作品展が開かれます。 11月29日(火)〜12月3日(土)、 10時〜17時 (29日は13時オープン、 最終日は16時まで)、 堺市役所 高層館1階ロビーで。 入場無料。

日本舞踊
第二回 うの花の宴

家元 御上結帆

 御上流(結帆会) 家元 御上結帆が代表を務める結帆会が主催する 「第二回うの花の宴」 が12月に開催される。
  本部を高槻市に平成21年6月に創流された御上流 (後見人 若柳吉翔) は、 5歳から84歳まで幅広い世代が参加、 地域のボランティア活動などを積極的に行っている。
  御上結帆家元は 「皆様に喜んで頂く、 元気のある結帆会を目指して頑張っています。 ぜひ堺からもご来場ください」 と話す。
日時 12月11日(日) 午前11時開演 (10時30分開場)
場所 高槻市立生涯学習センター2階
出演 結帆会
特別ゲス
若柳流 家元 若柳吉翔
ゲスト 槻 貴子 (徳間ジャパン)、 前田政子 (山びこ会会主)、 優 (優歌謡スクール)
問い合わせは結帆会 (072―678―1102) まで。


投 稿
「堺 大好き」 そしてあの日(4)

川上 史子さん

 その後、 一緒に歩いて来た友達と三人でなぜか堺東へ向っていました。 その時、 私が一生、 忘れられない光景に出あったのです。 今も目をとじると浮んできます。 そして、 やっぱり涙が先に出てくるのです。 でも、 この恐ろしさや、 悲しさ憤りを、 どうしても一人でも多くの人に話さなければならないと、 涙をこらえて話します。
  それは、 五・六才とも、 七・八才とも、 男の子とも、 女の子とも、 わからない死体でした。 今、 街の中にある電柱は、 ほとんど鉄筋コンクリート造りですが、 昔は全部木造りでした。 火がつくと燃えてしまいます。 今、 私が話そうとすることは、 そんな木の電柱にとり付けられているトランス (変圧器) が焼け落ちて子供がその下敷きになって死んでいたのです。 はじめに言ったように、 年令も性別もわからないと言ったのは、 着ている服がすっかり焼けて、 体も炭のように、 黒く固まって倒れていたのです。 その横を何人も、 何人もの人が手を合わせて通りすぎて行きます。 その手を合わせて行く人達も、 ひょっとしたら自分もこんな目に合っていたかもしれない。 これから探そうと思っている肉親も……と思うと手を合わせずにはおられなかったのでしょう。 ほんとうにかわいそうな姿でした。 きっと前の晩には、 食べ物のない時代とはいえ楽しい食事をしていたでしょう。 もし、 戦争がなかったら、 その子も死ぬこともなく、 六十数年たった今では、 七十才くらいの人生の先輩の年令です。 そして、 大学生や高校生位の孫もいることでしょう。 でも、 あのトランスの下敷になって死んでしまった子供は、 もう、 それっきりです。 そして、 私の胸の中に黒こげの死体となってのこっているのです。

(終わり)
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