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「ハーベストの丘」
ずさんな管理経営を指摘
行政 改善を約束

 3月25日の堺市議会総務委員会において加藤均議員(自由民主党堺市議会議員団)の質問で、市を代表するレジャー施設「ハーベストの丘」(堺市鉢ヶ峯2405−1)のずさんな経営体制が明らかになった。
 ハーベストの丘は堺市と(株)ファームの協同により農業をテーマとする健全で良質なレクリエーションの場、及び地域の振興を目的として設置された。
 はじめにハーベストの丘とはどこを指すのかとの問いに公の施設である堺市立農業公園(農産物直売所を含む総合交流施設、農産物加工体験実習館などがある西エリア、駐車場)と民間施設の遊戯施設を中心とする東エリアに分かれている。しかし、一枚の入場券で一つしかない入場口から入場するため、公と民間というより一体の施設として認識されているのが現状と説明。
 続いて、第3セクター運営による経営破たんを懸念し堺市は公の施設の管理運営を行うため堺農業公園(株)を設立(出資割合は堺市70%・(株)ファーム、JA堺市各15%)(株)ファームも施設の民間施設の経営を行う(株)堺ファームを設立。(出資割合(株)ファーム98%・堺市、JA堺市各1%)。堺市は管理運営を堺農業公園(株)に委託、さらに同社はノウハウをもつ(株)堺ファームに再委託するといった複雑な管理形態を説明した。

外部監査が改善を指摘
 さらに外部監査人より、堺農業公園(株)は施設を管理運営する法人としての実体を具備しておらず、経営は完全に(株)堺ファームに委ねられているため管理運営上種々不明瞭な点がある。とした上で堺市と堺農業公園(株)との間で締結されている「堺市立農業公園管理運営委託契約書」に従った管理運営が出来るよう、抜本的な改善をすべき。つまり堺農業公園(株)と(株)堺ファームとの関係を見直すべきと指摘を受けた。
 その対応策として平成16年度から今まで判りづらかった管理上の問題点や課題の明確化とともに主体性を持って改善に取り組むため堺農業公園(株)に常勤の社長の配置とともに、両社に対し改善協議を進めるよう指導を行っていると付け加えた。

人材派遣の廃止
 (株)ファームから堺農業公園(株)への職員派遣について、堺農業公園(株)の業務を実際に担当している全20名のスタッフの内18名はファームから派遣された社員。事実上(株)ファームからの指揮・命令を受けており、監査人から堺農業公園(株)がペーパーカンパニーと言われかねないと指摘されたと答えた。その改善として、17年度から人材派遣の形態のとりやめと、プロパー職員・市職員OBの採用等により早期自主運営を目指すと答えた。
 さらに会計事務までも(株)堺ファームに委託している件について(3ヶ月に1度売上げや業務の報告書との照合を実施)、農産物直売所に係る収入・支出の経理事務については、堺農業公園(株)側が直接行い、入場料・西エリアでの売上げは、毎日、専用の通帳に入金し、必要経費は翌月末に一括して(株)堺ファームから請求を受け、支出するというよう改善すると答えた。
 3月末に5年間の協定有効期間の満了にともない終結し、4月1日からの新しい管理運営方法について「堺市立農業公園管理運営委託契約書」を遵守したのもに改善する。市からこれらの勧告について堺農業公園(株)は全面的に従うとの回答を得ていると答え、鋭意改善への姿勢を明確にした。
 加藤議員は最後に、このような問題を未然に防ぐため、あらゆる契約を専門に管理する『法務部』の必要性を改めて訴えた。
 さらに政令指定都市を目指す堺市が行財政の面でも“風格ある都市”となることを希望したいと締めくくった。
 市民の知らない所でずさんな経営実態に驚くとともに、堺市の行政が一日も早く健全経営を目指し、しっかり対応することが急務である。


堺経営者協会
新会長に鈴木康郎(ダイベア(株)社長)を内定


鈴木康郎氏

 堺市及び、周辺地域の企業で構成される堺経営者協会(会長 河波利夫・(株)ニッカトー会長 会員数200社)は3月9日、堺市内で開かれた理事会で、次期会長にダイベア(株)社長の鈴木康郎氏(65)を内定した。
 河波利夫会長は、平成15年4月16日から1期2年間、会長を務めたが、このたび役員改選を機に退任する。
 今月20日に開催される平成17年度定時会員総会で正式に承認される予定。
 新しく会長となる鈴木康郎氏は、昭和38年4月トヨタ自動車工業(株)に入社、平成3年、光洋精工(株)取締役、同社常務・専務を経て、平成14年6月にダイベア(株)代表取締役社長就任、現在に至っている。
 同協会では、平成14年7月から理事、15年4月に経営委員長を務める。
 その他、大阪府工業協会理事、日本ベアリング工業会評議員等。


羽衣国際大学
ベトナム・ダナン大学と協力協定


協定書を交換するブイ・ヴァン・ガ ダナン工科大学学長(左)と、山田浩之 羽衣国際大学学長(右)

 羽衣国際大学に、ベトナム・ダナン大学のダナン工科大学学長 ブイ・ヴァン・ガ氏と、同大学大学院部長及び科学研究開発部長トラン・ヴァン・ナム氏が訪れ、両校における文化、教育、学術に関する協力協定を正式に結んだ。
 今回の協定は、学生、教員、学科間の直接的な交流・協力関係を進めていくというもので、情報交換だけにとどまらず、たがいの学生研修や教員の招聘などといった具体的なものとなった。
 羽衣国際大学客員教授を務め、両校の架け橋となった、NPO堺国際交流協会理事長 加藤均氏は「今後、一人でも多く、堺からベトナムに、ベトナムから堺に交換留学を増やしていただき、生きた学習を身につけてほしい。」と語った。
 その後、両氏は、最新鋭の放送技術を備えたマルチメディアスタジオや図書館、学生会館など校内を見学した。
 なお、羽衣国際大学は新学部・人間生活学部を今年度からスタートした。


アナウンサーを体験
メディア実習


最新鋭の技術を備えたスタジオで学習する羽衣小学校の児童たち

 羽衣小学校は平成14年より国際理解教育に取り組み、特色ある学校づくりを推進している。今回羽衣国際大学産業社会学部教授・斎藤努教授らの指導のもと(3月1日午前10時30分〜午後2時30分)35名の2グループの発表会を行った(5年生)(本物と変わらぬスタジオを設置)その主たる目的は、1社会見学、2チームワークの大切さを自分たちで地元を歩いて取材。それぞれの役割で参加すると共に「ニュース」にとって大切な「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「なぜ」「どのように」の5W1Hを学んだ。この日の子どもたちの制作したニュースは“地上衛星(ヒマワリ)の打ち上げ”、地元ニュース“犬の糞害”“町かどの落書き”を取り上げ、その映像に批判・反省を加えつつ“マナーの大切さ”をアピール。
 明るいニュースとして春の訪れを知る、梅・柊・かりんの映像を、また最後に担任の先生へのインタビューで先生の素顔の紹介など大人顔負けの出来であった。
 子どもたちは初めに「アナウンサー」「キャスター」のテロップが流れると歓声と共に静かに映像を注視、担任の先生へのインタビューでは笑い声と拍手など楽しく、そして全員キラキラとした目で参加していた。斎藤努教授は「この授業で少しでもメディアに関心を持ってもらえばと思います。」と話す。時代にマッチした授業の今後の発展深化を期待したいものだ。


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