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葛村新会頭に聞く
明日へ挑む堺の商工業者を支援

堺商工会議所内に在堺チェコ共和国名誉領事館が開所された(9月21日、開所式で)
堺商工会議所内に在堺チェコ共和国名誉領事館が開所された(9月21日、開所式で)
葛村  鉄砲をつくる技術にしがみつかず、手分けして、みんなでつくろうという協力の仕組みに入れなかった封建主義の災いが、堺にはなく、個性的な生きがいが、伝統的なしがらみにとらわれず、という堺の体質が、最近のレプリカづくりに向かう自由な行動にも反映しているのではないだろうか。

佐藤

 堺といえば、文化面では「お茶会」。東京で千利休の出身はと聞けば、京都ですと言われがちですが、れっきとした堺の人です。
葛村
 表千家・裏千家・武者小路の三千家が一堂に会しお茶会ができるのは堺しかありません。それは千利休が堺生まれの、茶道をはじめた由緒ある茶聖であるからなのです。このことをもっと日本中に知ってもらいたいと、兼ねてから考えてきました。

船から見える海岸に
古墳群のレプリカを!

佐藤  あのNHKの大河ドラマ、来年の明智光秀に次いで、渋沢栄一だとか。どうやら、その次ぐらいに『千利休の若き頃から、大成して戦国時代の英雄たちの相談相手としてドラマチックな活躍をした一生』をテーマに取り上げられるらしいんです。ひと昔前にも、堺が南蛮貿易に活躍した頃の大型ドラマがありました。久しぶりに堺が世間の話題になるチャンスとしてクローズアップされるかも。次は人事について。
加藤

 私の長兄の友人が東大を出て通産省に入り大阪商工会議所の専務理事に迎えられました。このように中央から人事をもらってくるのも一案でしょう。情報が早く入るようになる。それも大きなメリットととなり、会員も仕事に役立てる事ができる。それが会員が増えることにつながるのでは。それとともに、組織表を見ておりますと国際係がありません。チェコ共和国の名誉領事館も開設されたことですし、必要があると思います。
葛村
 よく分かります。マンパワーを磨いて国際的に目配りの行き届いた会議所づくりにつとめます。
佐藤  話は戻りますが、中央に強いマンパワーづくりで多くの情報が早く入ってくるようになります。例えば助成金。申請期間が短くて2週間ぐらい。大企業なら対応できますが中小企業ではすぐに対応できずに情報も役立てることができなくなってしまいがち。
葛村  しかし、堺商工会議所に入会したほうが得になると言っております。堺市では従業員4人以下の小規模事業者が半数以上ありますが、このような事業所を中心に、寄り添った経営支援をする「伴走型」支援が堺商工会議所の強みであり、高い評価をいただいています。一方で、小規模事業者の加入率が低いため、更に魅力ある会議所づくりに力を注いでいきたい。

古代人形ら埴輪で偲ばせる

佐藤  チェコ共和国名誉領事館が会議所内に開所されました。葛村会頭が名誉領事に就任された。堺市はチェコ出身のアルフォンス・ミュシャのコレクションを多く保有していることでも有名です。
葛村  7年前にチェコ共和国の大使が堺のミュシャ館に来られました。世界でこれだけ多く集められているのは堺が一番ということ。チェコでも有名なんです。そんな縁もあり、チェコから名誉領事館を設けたいとの話があり、私も産業界の代表として誘致に関わることを推薦されました。ようやく今年の1月にチェコ側から外務大臣通達で堺に名誉領事館を置くということが正式に決まり、9月21日に開所しました。今後、一つの拠点として発信していきたいと考えています。

佐藤  それでは結びにひとこと。
葛村  堺市経済の更なる発展のため、経済状況や中小企業の経営環境の変化を捉え、会員の皆さんに『提案力のある』、そして『存在価値がある』〝新たな時代に対応できる商工会議所〟として力を尽くしていきたいと考えております。

2019府民スポーツ・
レクリエーション
「TBG(ターゲット・バードゴルフ)大会」

写真
 11月3日、堺市南区晴美台TGB場(南区)=写真上=
一般男子の部 優勝 島藤好孝、2位 一丸克己、3位 辻尾正照、4位 森 出、5位 恒松 弘▽シニア男子の部 優勝 池渕逸雄、2位 中川卓雄、3位 中嶋武致、4位 辻本 勇、5位 太田弘治▽ゴールド男子の部 優勝 片岡克征、2位 永井清大、3位 波多野正信、4位 宮崎順好、5位 石森武男▽一般女子の部 優勝 池渕志津加、2位 大上信子、3位 小林出子、4位 辻村喜久子、5位 中川明美▽シニア女子の部 優勝 小山雅美、2位 下村冨美枝、3位 中川洋子、4位 小谷道子、5位 木村美夜子

第70回
深井地区TBG大会

 11月17日・牛飼田TBG広場(中区)
団体の部 優勝 深井北町、2位 深井水池町、3位 深井畑山町 ▽男子の部 優勝 西川利治、2位 松岡光男、3位 辻本 勇、4位 北埜 篤、5位 白木 誠▽女子の部 優勝 東尾嘉代子、2位 大上信子、3位 薮中悦子、4位 竹内まち子、5位 中西照美

投稿
南シナ海問題と
「アセアン中心性」(2)

明治大学 教授 伊藤 剛

 (前回からの続き)第二の問題は、アセアン中心性そのものである。中国にとってみれば、この「中心性」を壊してアセアンの全会一致を崩せば良いだけだから、もっとも買収しやすい国を選んで、そこに重点的に資金をつぎ込めばよい。私が昨年カンボジアに言った際に聞いた話は、「アセアン中心性は、アセアンの大国側の論理に過ぎない。アセアン諸国と一緒に行動するときと、中国からの援助とを比べて、後者に利益があるのなら、別にアセアン中心性に義理立てする理由はない」という簡単明瞭な内容であった。つまり、中国のチェックブック外交にも問題はあるが、それを受け取る側にも課題が存在する。後発アセアンに十分に利益を供与できるだけの資源がアセアン側に存在しているわけではない。
 第三の問題は、いわゆる「債務の罠」であって、これについても中国を批判するのは簡単だが、しかし九九年租借を締結したスリランカ政府がその契約書を十分に吟味しなかったのも事実である。むしろ、中国の側が国際的な評判を気にして、金銭供与国の事情を加味するなど、最近ではアプローチの仕方が変わってきている。
 以上から分かることは、「自分の力」で対処できない国々が、「良い友人」を作って国際問題に対処するときの「国際協調」は、その維持が非常に難しいということである。この一〇月三一日からアセアン首脳会議が開催されるが、南シナ海問題が重要議題の一つになることは間違いない。いや、これまで何度議題になったか分からないが、そのたびに全会一致原則があるために、強い対処法について統一見解が出せずに来た。「アセアン中心性」が出ないと、それ以外の国々からのコミットメントを「ある程度」以上のものにはならない。その意味で、他国の抱える問題をどの程度「アセアン地域」全体の問題として捉えることができるかが大きな焦点となるだろう。
 今の状態では、中国外交の「二歩前進、一歩後退」または「三歩前進、二歩後退」の論理に負けてしまう。アセアンの課題が、中国外交からの対処次第で決まるという「他力本願」的な状態では、いずれ徐々にジリ貧状態になる。かつて書いたように「江戸の敵を長崎で討つ」方式で、海洋法の範疇で海の問題を片付けようとしない中国は、あらゆる手段で「核心的利益」を実現しようとするだろう。
 これに対し、アメリカはCSISが創設したアジア海洋透明性イニシアチブ(The Asia Maritime Transparency Initiative:AMTI)が常に南シナ海を監視している。また、「自由の航行」作戦を展開して、南シナ海における航行の自由を保障されるべく、活動を展開している。さて、日本はどうか。日本はベトナムやフィリピンに対して政府開発援助(ODA)の枠組みで海上保安庁の巡視船を供与することに成功した。しかし、常に漸増主義的で大きな変革があるわけではない。また、ここ一年香港で民主化運動が起こっているが、これに対しても比較的静観を決め込んでいる。南シナ海問題についても、ベトナムにとってみれば、アセアンを始め、多くの国との連携を「よき友人」として求めている。日本の外交は、一方でアメリカとの良好な関係も維持するが、他方で「イラク派遣」にはNOが言える。同時に、対中外交についても、国家主席の訪日を待ちながらも、批判すべきところは批判するものでないといけない。「外交」とは、自国の利益のみならず、地域全体の平和と安全を促進するものであるから、そこには「柔軟性」が存在しないといけないだろう。

 伊藤 剛 氏
明治大学 教授
国際政治学研究 担当
米国デンバー大学大学院 卒
主な著書・論文
『同盟の認識と現実』(有信堂・2002年)
Alliance in Anxiety(New York : Routledge, 2003年)
『比較外交政策』(明石書店・2004年)
『自由の帝国』(翻訳・NTT出版・2000年)


S-Cube入居企業紹介〈時代と共に歩む企業 (128)〉

割れない「スマートな鏡」など
売れる製品の開発・発掘・販売

株式会社CLOVERS
大越 賢一 氏

割れない鏡の開発・販売、雑貨等の販売
 同社は、パソコンやスマートフォンを通して広い範囲を対象に商品を販売できる強みをもつ、ネット通販事業を主力とした雑貨等の販売を行っている。
 「実店舗の立地や地域の特性、環境などを気にせず、商品力・店舗力だけで事業ができるネット通販に大きな魅力を感じ起業しました。創業当時は競争も激しくなく、主にメーカーからの仕入品を販売することで、十分な利益を確保できましたが、近年では独自で商品開発を行い、オリジナル商品のラインナップを増やすなどの工夫で、順調に売り上げを伸ばしています」
 スマホケースや財布にスリムに入れられる「スマートな鏡」を開発。 超弾力ポリカ素材を採用、歪まずクリアかつ割れにくいという最新技術を駆使しているオリジナル商品で好評を得ている。
 「当社は様々なメーカーとの情報共有や、ネット上の売れ筋商品の予測と分析ができる独自のノウハウを持っているので、販売する商品が絶えることなく、常に新商品の掲載を待つ状態が続いています。商品企画やものづくりについて24時間365日イメージを膨らませる作業が好きな会社ですので『好きこそが最大の長所』だと思っています」

S―Cube入居について
 「施設や立地環境の良さなどハード面の利便性とともに、スタッフの方々に困ったことを気軽に相談できる環境があることなどソフト面での支援も大きな利点になっています。インキュベーション・マネージャーへの面談時には事業進捗状況を報告します。事業成果の通信簿を発表する場と思い、モチベーションアップにつながっています」

会社概要
株式会社CLOVERS
代表取締役 大越 賢一
堺市北区長曽根町130―42
さかい新事業創造センター
(S―Cube)326号
創業 2014年
資本金 100万円
http//www.s-cube.biz/tenant/f3/326.html

「割れない鏡」を販売
「割れない鏡」を販売
S-Cube新規入居者募集中!!
㈱さかい新事業創造センター[S-Cube]は、新事業の創出に挑戦する起業家や中小企業を総合的に支援します。
創業をめざす方に最適な創業準備デスクも空室あり!!
その他、創業段階に合わせたお部屋もありますのでご相談下さい。       (地下鉄 なかもず駅・南海電鉄 中百舌鳥駅すぐ)
問い合わせ TEL072-240-3775 http://www.s-cube.biz