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あれをみて、周りのほかの御陵もそう丁重になっているのか、ともいう学者さんの考え方も出てきました。あの立派な敷石畳をみて、やはり仁徳天皇さんは、〝王の中の王、大王やった〟ということがわかるという学者もおられますね。
あれをみて、エジプトのピラミッドを思い起こす方もあるでしょう。
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竹山
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世界三大墳墓は、中国の秦の始皇帝陵と、エジプトのクフ王のピラミッド、それに百舌鳥古墳群最大の古墳である仁徳天皇陵古墳だといわれていますので、どのように連携していくかということを地球規模で考えないといけないと思います。
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地球的スケールはさておいて、さしずめ〝ビル規模〟で。この堺市役所ビルの21階に上がると、仁徳陵が遠望できるという情報が市民の間で広まって、このところ人気が出ているそうですね。
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竹山
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仁徳天皇陵古墳の発掘調査報道で広まったことで、21階に来られた方も多いと思います。無料でご入館いただけますし、夜9時までやっています。昼間は観光ボランティアの方が、説明もしてくれます。
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加藤さんは堺の住民としては、長いので、御陵についてのご感想は?
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加藤 |
何度も特別参拝させていただいておりますが別世界のような、ものすごく有難い思いに迫られます。
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古代にタイムスリップするような。
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竹山 |
古墳時代には、森はなかったんです。しかし今では、野鳥も多く、仁徳さんを守る自然の宝庫となっています。やっぱり聖域です。
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もともと、周辺は都市計画できびしく管理しており、高い建物は11メートル以内に。見下ろすとなれば、陵墓の尊厳に反するというわけで…。
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竹山 |
静安と尊厳をしっかりと守りながら、世界の人に見てもらいたいと思っています。
この間も、小学生が観光ガイドを務める取組をしてもらいました。子どもが自ら調べて、仁徳天皇陵古墳は、甲子園球場12個分だと分かったり、発見があったと思います。仁徳天皇さんは、とくに国民の暮らしをつねに考えておられました。
有名な大阪の高津宮の高台から、民衆を見ておらされたら、夕食をつくる釜(かまど)のけむりが見えない。心配されて3年間、税の取り立てを止められたところ、見事にけむりが戻り、安心されたという、有名なお話が語りつがれています。
今回の発掘で全国的にも堺の発掘のニュースが知られ、それとともに、忘れられかけていた「高き屋に昇りてみれば、民のかまどは賑いにけり」という仁徳さんの逸話もよみがえるのではないかという期待も大きいですね。
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