《次へ》
加 藤 均 恒例 新春放談 |
||||||||||||||||
〝即位、改元、新しい年号の日本〟でスタートする二〇一九年。国をあげて、お祝いの声が高まるなか、特に百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産への国内推薦が実現し、SAKAIがSEKAIに一層注目を集める年。市制一三〇年、市長一〇年目の竹山修身・堺市長と、特定非営利活動法人 堺国際交流協会・日越堺友好協会の加藤均理事長との新春恒例対談。佐藤一段・政治経済評論家の司会で、イノシシ年らしく元気よく語り合った。 | ||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
堺市制一三〇年・竹山修身市長一〇年目に |
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
エジプトのピラミッドを |
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
(次頁へ続く) |
新年おめでとうございます。二〇一九年は新元号に変わる年ですから、変化に伴う終わりや始まりがある年になるのかもしれません。一方、昨年から始まった米中貿易戦争は、今年も終わりそうにありません。それは米国にとって単なる経済摩擦問題ではなく、安全保障問題だからなのです。 昨年十月四日、ペンス副大統領が行った四十分間のスピーチは、「新冷戦への号砲」と米国メディアでは報じられました。 スピーチ内容の一部には「〝中国製造二〇二五計画〟により、官民あげて米国の知的財産を獲得、ロボット、バイオテクノロジー、AIなど世界の先端産業の九〇%の支配を目論んでいる。」「米国企業を買収し、最新武器の設計図などを盗み、莫大な数の武器を作っている。」「二〇二〇年までに、〝ジョージ・オーウェル的〟な人間のあらゆる側面を管理する、〝社会信用システム〟を構築しようとしている」「アジア、アフリカ、欧州、中南米にまで、不透明な融資条件の〝債務外交〟を展開し影響力を拡大中だ。」それはまるで検察が法廷で起訴状を読み上げるがごとく、中国の国家犯罪を長々と列挙したのでした。 更にこのスピーチ当日、米国防省から衝撃的な報告書も公表されました。米軍への供給にかかわる製造業の基盤を調査した百七ページに及ぶ同報告書は、米軍事産業基盤の三百に及ぶ弱点を指摘しました。これらは機密扱いですが、いくつかの具体例が取り上げられ、例えば、レーダーなどの製造に必要なレアアースの多くは、〝中国が唯一の供給元になっている〟と指摘しました。 この報告書をうけ、ピーター・ナバロ国家通商会議局長は、「過去の政権は、アメリカ企業が長年かけて開発した知的財産を中国が盗むのを許し、アメリカの雇用と製造業を他国に大量脱出させる要因の一つになった。そしてトランプ大統領はその大量脱出を覆しつつある。」と論じました。 数年前から始まった米中の覇権争いは、昨年七月からの経済制裁で表面化しましたが、これは長期化します。地政学的に両国の争いの足元に存在する日本は、今年も更に難しいかじ取りが求められることになるのです。 |