遊 子 遊 目46
旅に病んでも旅はまだまだ終わらない!

 旅に出るというのは、 日常の暮らしから離れること。 つまり、 未知のことがらに出会う楽しみがあると同時に、 常に不安や緊張に晒されることでもある。 旅はぼくにとって、 非日常の思索の時であるので、 いくら旅をしていても何の苦にもならない。 だが、 旅から旅を続けていると体が悲鳴をあげることがある。
あれは、 二年と少し前のことだった…頼まれた仕事でジャカルタから日本、 日本からジャカルタ、 ジャカルタから南スラウェシ、 南スラウェシからバリ経由でまた日本というのんびりとしたインドネシアの暮らしに慣れていたぼくにとっては、 殺人的と思われる旅の連続を10日間でこなした時のことだ。
最初の日本滞在でひいた風邪がなかなか治らず、 咳などが続き非日常の思索の時間はどこかへ吹っ飛び、 体調不良に苦しんでいた。 しかし、 ぼくは南スラウェシへ飛ばなくてはならなかった。 そこには、 ぼくを待っている人がいたのだ! (「いい日旅立ち」 の歌詞を思い出し自らを奮い立たせていた)
ジャカルタの空港へ行ったのはいいが、 疲労のためか発熱のためか背中に激痛を覚え始めた。 この痛みを何とかしたい…出発ロビーのベンチに座ってしばらく考えた。 そこで、 目に入ったのは忙しげに床にモップをかける人のよさそうな掃除のおじさん。 う〜ん仕方がない、 この人に頼もう、 と思い声をかける。
「おじさん、 悪いんだけど背中押してくれない?。 痛くて仕方がないんで…」 「どこ?ここかい?」 などといいながら背中に手を置いてくれる。 周りの目など気にする余裕もなくベンチに横たわる。 しかしながら、 その時の情景は特に奇異にうつらなかったように感じる。 ぼくがジャカルタを愛する所以である。
掃除のおじさんは、 それからぼくの 「左、 いやちょっと右、 その下…」 などという指示に忠実に従って背中をマッサージし続けてくれた。 インドネシア人はこういう時には、 驚くほど親身になって助けてくれるのだ。 もし、 これをどこか人々が忙しく動き回り、 「××べからず」 の張り紙が多く貼ってある国の空港で行ったとしたらどうなるだろう?ベンチにおける即席マッサージは即刻中止させられ、 掃除のおじさんは雇用主から厳しいお叱りを受けていたかもしれないのだ。 ああ、 ありがたやジャカルタ…ぼくの第二の故郷。
そのマッサージは30分も続いただろうか。 あと何時間でも続けていたい気持ちだったのだが、 飛行機の出発時間は迫ってくる。 お礼をいってベンチから起き上がると、 あら不思議さっきの痛みは和らいでいる。 それを告げるとそのおじさんは、 ぼくにも増して満足気な表情を浮かべ、 気をつけてお行きなさいという。
なんという親切な御仁かと思い、 せめてものお礼にと財布からいくばくかの金を抜き取り差し出す。 うれしそうにそれを受け取ったおじさんは、 またいつでも必要とあれば喜んでするよ、 という。 空港で二度とこんな経験はしたくないと思ったが、 それでも、 丁寧にお礼をいってぼくは機上の人となったのだった。
掃除のおじさんのマッサージ効果はしばらく続いたが、 その後ぼくは旅の最終目的地の日本で高熱を出し、 ジャカルタへの帰国を遅らせなければならなくなった。 日本に掃除のおじさんはいなかった…しかし、 病院へ連れて行ってくれた人、 ぼくの代わりに仕事をこなしてくれた人、 一本千円もするドリンク剤を届けてくれた人 (値段は本人が言及したのでわかった)、 心優しい人々は我が祖国日本にもやはりいた。
旅人である以上、 旅に耐えうる心身の強さを持たねばならない。 普段から運動をして体を鍛えているつもりでも、 時として旅の途中でダウンしてしまうことがある。 情けないことだが、 機械でない以上仕方がない。 我が敬愛する松尾芭蕉は 「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」 という辞世の句を残している。 この句をして芭蕉の旅は終わったのだが、 ぼくの旅はまだ終わりそうにもない。 終わらせる気持ちもない。
これからの旅の途中で一体どんな人々に出会うのか。 どんなできごとに遭遇するのか。 体を鍛えつつ、 そして精神を鍛えつつ次の旅の準備をしようと今思っている。

〜 「遊子遊目」 は今月号を最後に、 しばらく休載いたします。 長い間ご愛読ありがとうございました。 読者の皆様にまた語りかける時が来ることを願いつつ…
                            筆者〜

NPO法人 堺国際交流協会
東南アジア研究所主任研究員
博士 加 藤 久 典
ナショナル大学客員教授
(インドネシア・ジャカルタ)



行かなきゃ損!イベント限定グルメなどが盛りだくさん
第23回 「堺旧港観光市場」
3月8日(日)10時から

大人気!マグロ解体即売
大人気!マグロ解体即売

 昨年12月には二千人の来場者で賑わった 「堺旧港観光市場」。 今回もお子様からお年寄りまで一日楽しめるイベントが盛りだくさん。
  まず、 前回大好評をいただいた 「堺旧港特製海鮮焼き」 スペースを増設。 堺魚市場の新鮮な魚介類の炭火焼きをお楽しみください。 (バーベキューコンロの貸出は無料)
  その他、 会場ではお子様に絶大な人気、 新鮮なアジを網ですくい取る 「ほんもの!お魚すくい大会」 や本マグロをダイナミックにさばく 「マグロの解体即売」、 こだわりのタレが絶品の特製 「マグロのづけ丼・うなぎ丼 (各500円)」、 「漁師の天ぷら (100円〜)」 など、 新鮮な魚介類を体験していただける観光市場ならではのグルメが盛りだくさん。 イベント限定商品ですので全種類食べてみてください。
  イベントステージでは来場者参加タイム (時間は来てのお楽しみ) を設けています。 積極的に参加して、 参加者プレゼントをゲットしてください。  ベトナム総領事館からは、 ベトナムブースが出店。 アジアンテイスト溢れる雑貨や本場の料理など、 堺にいながらアジアのマーケットの雰囲気が感じられる国際色豊かなムードをお楽しみください。
  また、 堺旧港周辺には堺のシンボルとして知られる国の史跡 「旧堺燈台」 をはじめ、 日本一低い一等三角点のある標高6・8mの 「蘇鉄山」、 「天誅組上陸の地」、 「堺事件発生の地」 など数多くの史跡・名所があります。 当日は堺観光ボランティア協会のガイドによる 「旧港周辺観光ガイドツアー」 もお楽しみください。
実行委員会メンバー一同、 皆様のお越しを心よりお待ちしております。

日時 平成21年3月8日(日)
    10時〜14時
場所 堺魚市場
(堺市堺区栄橋2丁)
※南海線堺駅下車徒歩5分
  毎月第2日曜日開催予定。 (4月は12日(日))




消防協力事業所研修会

 堺市消防局は 「消防協力事業所研修会」 を実施した。
  大規模災害時に事業所が応急対策として消防活動に協力する体制を構築する 「消防協力事業所制度」 が平成20年10月に発足。 研修会は賛同する事業所 (367事業所) を対象に同制度について理解を深めてもらおうと開かれたもので213事業所 (254人) が参加した。
  消防協力事業所の概要、 過去の事例から大規模災害等での制度の重要性などが話し合われた。 研修参加者は 「消防協力事業所の具体的な活動内容もよく理解でき、 常日頃から地域の方との関わりを大切にし、 災害時に何が出来るかを今一度検討したい」 などの感想があり、 災害対応への防災意識の向上が図られた研修会となった。 消防協力事業所制度への問い合わせは最寄りの管轄消防署まで。




他市からの
行政視察

1月19日 岡山市 12人
・議会運営について
・議場のバリアフリー化について
1月19日 東京都立川市7人
・市税催告業務における民間活用 (市税コールセンター) について
1月21日 宮城県石巻市5人
・市税コールセンターについて
・さかい地産地消推進計画について
1月21日 名古屋市 13人
・幼児児童生徒の安全対策について
1月22日 浜松市 6人
・企業誘致と中小企業クラスター等の産業集積拠点の形成について
1月26日 三重県四日市市7人
・自転車道整備推進室の取り組みについて
1月26日 福岡市 10人
・議事運営について
1月29日 愛知県岡崎市10人
・環境モデル候補都市について
2月2日 埼玉県所沢市3人
・保育所の民営化について
2月4日 愛知県稲沢市1人
・学校教育について
・農業振興について
2月4日 岩手県奥州市8人
・税収納率向上対策について2月5日 川崎市 3人
・認定こども園 百舌鳥こども園について
2月10日 埼玉県所沢市6人
・クリーンセンター東工場 (第二工場) について





3月
議 会 日 程

3日(火)・4日(水)・5日(木)
    10時 本会議
10日(火)10時 市民人権委員会
  産業環境委員会
12日(木)10時 建設委員会
  文教委員会 
16日(月)10時 総務財政委員会
  健康福祉委員会
23日(月)10時
  予算審査特別委員会
26日(木)10時 議会運営委員会
30日(月)13時 本会議



植木市 開催

 花と緑、 盆栽などの展示販売。 園芸全般に関する相談コーナーも開設されます。
日時 3月15日(日)〜5月10日(日)
    9時〜17時30分
場所 大泉緑地
    第一駐車場北側一帯
入場無料




税金豆知識   
還付申告のそれぞれ

 還付申告の要因として次に挙げるものがあるのでご参考に。
  一、 まず、 年の中途で退職して年末調整を受けていない人は確定申告をすれば還付を受けるケースが多く、 更に生命保険料や地震保険料などの控除を受けることのできる人。
  二、 医療費控除を受ける人。 三、 国、 地方公共団体などに寄付した人。
  四、 政党、 政治団体などに寄付した人。
  五、 家屋の耐震改修工事をした人。
  六、 住宅借入金等特別控除を受ける人。
  七、 e│TAXで確定申告して電子証明書等特別控除を受ける人。
  八、 災害などを受けて雑損控除を受ける人。
  九、 退職所得のある人で退職所得を除く各種所得の合計額から所得控除を差引くと赤字になる人。
  十、 予定納税をしている人で確定申告の必要のない人。
  以上の項目に当てはまる人は税務署に出向いて手続をすれば、 桜の花の咲く頃に還付を受け臨時ボーナスをもらった感じでチョッピリとフトコロも暖かくなり花見をしながら美味しいお酒を……。

税理士 大西 正芳


第九十五回   
無縁物故者慰霊祭

 生前は世のため、 人のために尽くしながらも、 看取られる人も無く、 寂しくこの世を去られた方々の霊を慰める 「第九十五回無縁物故者慰霊祭」 が今年も春分の日にしめやかに営まれる。 当日、 一般参列も受け付けられます。
日時 3月20日(金・春分の日)    午前11時
式場 ホテルサンルート堺
  堺区少林寺町西1―1―1
    (阪堺線寺地町駅前)
TEL
072―232―0303