遊 子 遊 目 21
袖の下で切り抜け

 Kあるところに事件あり。 ぼくは旅先で思いがけない出来事に遭遇することが多い。 しかし、 Kも負けてはいない。 こうして、 今までの旅の記憶を呼び起こしていると、 数限りなく微笑ましいKの姿が浮かんでくる。
 あれはジャカルタ暮らしを切り上げて、 シドニーの大学院へ入学する準備を進めていた頃だった。 Kは、 それならば引越しの前に来る、 と言う。 「こういうことでもないと、 いつまた、 ジャカルタに行けるかわからないから」 というのが Kの言葉である。
 その当時、 ジャカルタの国際空港には 「展望場」 というのがあって、 空港ビルの屋上から離着陸する飛行機を眺めることができた。 ぼくは、 Kが乗っているはずの鶴のマークの入った飛行機を、 手すりに頬杖をつきながら待っていた。 それまでのジャカルタでの暮らしを振り返りながら、 少し感傷的な気分にもなって。
 そして、 我が祖国から飛んで来た飛行機が視界に入ってきた。 やがて、 鶴のマークに飾られた機体は優雅に降下を始め、 滑走路に吸い込まれるように着陸した。 それを見届けてからぼくは、 待合ロビーへと向かった。 旅慣れているKは大きなスーツケースを持って飛行機に乗ることは稀で、 手荷物だけで移動している。 そうすれば、 入国手続き後にベルトコンベアーの前に立って荷物の出てくるのを待つ時間が節約できる。
 だから、 いつもKは飛行機の到着から短時間で出口へやって来る。 ところが、 その時はいつまでたってもKの姿は現れない。 時間は刻々と過ぎ、 どうやらKの飛行機に乗っていた乗客のほとんどが出口を通過したようだ。 おかしい。 Kは飛行機に乗り遅れたのだろうか。 ならば、 ぼくが空港に来る前に連絡が入っているはず…
 何かあったのか?と心配になってきたその時、 耳に飛び込んできた聞き慣れたKの声。 「ちょっと、 ちょっと、 来てくれよ!」 と彼方の到着ロビーの出口の扉の近くでぼくを手招きしている。 その背後には空港職員と見られる人物がKをロビーから出さないように見張っている様子だ。
 ぼくは、 我が友の身に何かが起こったのだろうと扉へ急ぐ。 到着ロビーには入れないので、 まるで牢屋に入った囚人と面会人のように、 約1メートル離れたところからKに話しかける。 Kは入国審査にひっかかったという。 インドネシアに入国する際には、 有効期限が6ヶ月以上のパスポートを所持していなければならないが、 Kのパスポートの有効期限はそれ以下だったのだ。
 何といううかつさ!そんなことで、 世界旅行協会の会長は務まらない、 と思いつつもぼくはKが強制送還される事態をなんとか避けたいと頭を働かせる。 仕方がない、 「袖の下だよ、 入国審査官にいくらか渡せよ」 とぼくは早口に言った。 Kは職員に連れられて再び、 到着ロビーへと消えた。 入国審査室に連れ戻されたのだろう。
 それから数分後、 Kは元気な足取りで鞄を肩に担いでぼくのいる待合ロビーへと颯爽と現れた。 「いや〜結構簡単だったよ」 とご機嫌だ。 あれからKは、 このままでは入国できないと言い渡す入国審査官に、 日本の500円硬貨を差し出したそうである。 すると、 その審査官は 「ツーリトルマネー! (少なすぎる)」 と言ってあきれ果て、 Kに入国を許可してくれたという。 言い忘れたが、 Kはぼくと同じくらい倹約家 (決してケチではない) である。
 Kは時折、 ぼくに聞くことがある。 「今度はどの国に住むんだろうか?」 そんな時、 ぼくはなぜかKのために外国暮らしを続けているような気がしてくる。 Kはぼくの次の国を楽しみにしている。 「今度は、 オレが行ったことがない国がいいな…」 とまで言うことがある。
 まあ、 それもいいだろう。 Kが訪ねて来れば、 また楽しい旅のエピソードが増え、 ぼくの人生に笑いがまた増えるに違いない。 笑われてばかりいるぼくは、 時々誰かを笑いたくなる。 だからぼくは、 いつもKに対する感謝の気持ちを忘れないでいる。
NPO法人 堺国際交流協会
 東南アジア研究所主任研究員
博士 加 藤 久 典
ナショナル大学客員教授
(インドネシア・ジャカルタ)


開口神社・山之口
 南蛮ガラクタ市
大小路界隈 「夢」 倶楽部

11月26日(日)
 午前9時30分〜午後3時
 魚市、 野菜果物市、 和洋アンティーク、 花と緑、 東南アジア雑貨、 年金相談、 昔あそび、 占いの館 (夢庵) 「堺おたび寄席」 浪漫亭 (夢浪漫本舗)
主催・お問い合わせ
大小路界隈 「夢」 倶楽部 (夢創庵内)
TEL 228−5201
夢庵ギャラリー
11月3日(金)〜22日(水)
フィーリングアーツ北村展



第19回
関西矯正展

 「社会を明るくする運動」 行事の一環として矯正行政に対する理解を深めてもらうことを目的に 「第19回関西矯正展」 が開催される。
矯正指導の取組みの現状や、 教育活動の紹介などの広報コーナー、 唐木細工、 堺式手織緞通作りの実演コーナー、 家具・雑貨・生活用品などの作業用品の販売、 ボランティアによるステージ、 また刑務所内バス見学も開催される。
 バス見学は両日とも、 10時30分から30分間隔で一日6回実施される。 東塀南側角付近でにて、 9時と正午等乗車整理券が発行される。
日時 11月11日(土)・12日(日)
   10時〜16時
(12日は15時まで)
場所 大阪刑務所敷地内
   堺区田出井町6−1
  (JR阪和線 
堺市駅徒歩5分)
お問い合わせ
大阪刑務所 作業部門
TEL 
072−238−8269


第33回
堺市空手道選手権大会

10月8日(日) 大浜体育館 

優勝
個人型の部

幼児 男女
 赤名竜乃介 (誠勇館)
小学1年 男女
 大西香緒里 (井上)
小学2年 男女
 渡邊結哉 (太西会)
小学3・4年女子
 三好悠香子 (正和館)
小学5・6年女子
 山口彩絵 (誠勇館)
中学生女子     
 小松愛奈 (威心館)
一般段外
 藤本輝夫 (太西会)
一般有段
 田代高也 (上野芝)

個人組手の部
幼児 男女
 赤名竜乃介 (誠勇館)
小学1年 女子
 内山  咲 (誠勇館)
小学2年 女子
 坂口風香 (明武館)
小学3年 女子
 八田麻央 (誠勇館)
小学4年 女子
 曽我部胤美 (誠勇館)
小学5年 女子
 上垣内りお (太西会)
小学6年 女子
 出宮日世里 (憲武館)
中学生女子
 吉村瑞希 (誠勇館)

中学2・3年個人組手の部
左より二位・中井将平 (太西会)、 優勝・南宮一道 (憲武館)、 三位・山口涼斗(誠勇館)、 北野正敦 (正和館)
小学1年 男子
 尾古貴陽大 (誠勇館)
小学2年 男子
 杉原成樹 (太西会)
小学3年 男子
 村上志久摩 (太西会)
小学4年 男子
 金井祐介 (誠勇館)
小学5年 男子
 吉村文太 (誠勇館)
小学6年 男子
 前川 嵐 (誠勇館)
中学1年 男子 
 瀧山拓哉 (太西会)
中学2・3年 男子 
 南宮一道 (憲武館)


阿含のお護摩

  「阿含の星まつり」 で知られる阿含宗が主催する 「神仏両界 阿含のお護摩」 が執り行われる。
 仁徳天皇の御神徳をいただくと共に郷土の安穏・繁栄と戦争犠牲者の冥福と成仏を祈る。 どなたでも自由に参拝できます。
日時 11月5日
   11時法要開始
場所 
仁徳天皇陵隣接
大仙公園平和の塔前広場
 (堺区百舌鳥夕雲町)
主催・問い合わせ
阿含宗 南大阪道場
TEL 072-257-1535
堺区向陵中町4-7-30
三国ヶ丘NDビル5階



堺市立青少年センター
 受講生を募集
ファミリープラザ

 クリスマスツリーとしめ縄飾りを作ります。
日時 12月3日(日)
   10時〜15時
対象 小学生とその保護者
定員 32人
※材料費、 一家族、 300円が必要
申し込み 11月1日〜8日まで電話かFAXで。
場所
堺区柳之町西1丁3│19
TEL 229│5120
FAX 228│5244
休館日 11月3・6・13・20・23・27日
図書室は蔵書点検のため、 8日〜10日まで休室。




税金豆知識   
五千円以下の飲食費は

 普通、 会社が各取引先などを接待するとか、 贈答品などを贈ったりする場合にその費用を交際費として処理するのが一般的である。 が、 しかし、 一定の費用でも交際費から除外できるものがあり、 除外できる費用には次に挙げるものがある。
 それらは従業員の慰安に必要とする旅行や運動会、 演芸などの費用とか贈答用のカレンダーや手帳、 手ぬぐいなど物品を贈答するためにかかる費用とか、 テレビなどの番組や書籍などの出版物を作成するために行う座談会や記事収集のためにかかる取材費などがある。
 次に平成十八年四月一日以後に開始する事業年度からは一定の飲食代も交際費から除外することができるようになったのである。 それには要件があり、 その要件として支出金額を飲食の参加人員で割った金額が五千円以下で、 飲食代などの支払年月日や参加者の氏名やその関係及び利用した飲食店に関する情報などの記載のある書類を保存しておく必要がある。 尚、 接待する対象としては社外の人物を接待する場合に限られるからその点についてはくれぐれもご注意の程を。

税理士 大西 正芳